9年前、台湾の球場で涙にくれていた高校生の姿が、頭の中によみがえった。

西武からのFA移籍で、オリックス森友哉が誕生。11月26日、新ユニホームに袖を通した。あの3人がチームメートになるのか…と、9年前は予想できなかった運命に驚いた。13年の第26回18UW杯(台湾・台中)に出場した高校日本代表の主力メンバーだった森、山岡、若月のことだ。

「侍ジャパン」と呼ばれた高校日本代表。大阪桐蔭主将だった森が代表でも主将を務め、桐光学園(神奈川)の松井(現楽天)らを擁する投手陣をリード。花咲徳栄(埼玉)の若月がリザーブで支え、瀬戸内(広島)のエース山岡はリリーバーで活躍した。

当初、抑えは済美(愛媛)の安楽(現楽天)が務める予定だったが、山岡がスライダーと140キロ台後半の速球を武器に台頭。先発に回った安楽は、強豪のキューバを相手に8回10奪三振の快投を演じた。大会後に発表されたオールスター部門で、安楽が先発、山岡がリリーフ、森が捕手の部門で受賞。それぞれが華々しい活躍を見せた。

実際、高い結束力を誇るいいチームだった。台湾の大会は東京日刊の後輩に託したが、国内合宿の練習試合や練習の取材を通じ、チームワークの良さを感じた。8月27日の関学大との練習試合では、先発の常総学院(茨城)・飯田に向かって、日大山形主将の二塁・奥村(現ヤクルト)が「ミット最後まで見て! いいボール行ってるよ」と声をかけ続けていた。互いの良さを引き出す声のかけ方だな、と思った。

そんな好チームも頂点には届かず。決勝で米国に1点差で敗れた。泣いて泣いて1人で立ち上がることができなかった森の姿をテレビで見て、本当にこのチームで勝ちたかったんだなと思った。

そんな侍ジャパンのメンバーだった3人が、オリックスでチームメートになる。9年前、森とルームメートだった若月は「すごさ、素晴らしさは一番分かっているつもり」と、正捕手をかけて競争に臨む。9年前の台湾で見せた互いの力を引き出す結束力がよみがえれば、2年連続日本一への大きな力になると思う。【遊軍 堀まどか】

2013年9月8日、第26回IBAF18U野球W杯・最終日・決勝 米国対日本 試合後、インタビューを受ける森友に向け「2020年東京五輪で会おう」とボードを出すファン
2013年9月8日、第26回IBAF18U野球W杯・最終日・決勝 米国対日本 試合後、インタビューを受ける森友に向け「2020年東京五輪で会おう」とボードを出すファン