3月30日、完成したばかりの新球場エスコンフィールドで、他の5カードに先駆けてプロ野球が開幕した。

空にはブルーインパルスが飛び、巨大なガラス壁の向こう側では花火が夜空に浮かぶ。そして、真新しい電光掲示板では世界的な絵本作家、五味太郎氏のかわいらしいアニメーションが映し出された。そんな、野球と絵本作家の“異種コラボ”を感慨深く見つめた選手がいる。日本ハム清宮幸太郎内野手(23)だ。

五味氏と清宮家の親交は深い。両親の知人だったことから、清宮自身も幼いころから五味氏や、たくさんの作品に触れてきた。「みんなうんち」はもちろん「『さる・るるる』とか『るるるるる』とかも好きでしたね。めちゃめちゃ面白い方なんですよ」。都内にある実家の玄関には五味氏の絵が飾られ、小学生ぐらいの時には、五味氏の草野球チームで一緒にプレーしたこともあるというから驚きだ。新球場の開幕セレモニーに五味氏が参加することは、清宮にとっても「ミラクルですよ、ほんと」と、思い出深いものになったようだ。

「運命を感じたし、すごいうれしい気持ちがあった」と心躍ったが、楽天とのオープニングゲームは4打数1安打でチームも敗戦。「ホームラン、見せられたら良かったんですけどね…」。楽天田中将大投手(34)から放った今季チーム初安打は、惜しくも右翼フェンス直撃の二塁打。昨季まで本拠地だった札幌ドームに比べて、低くなったはずの外野フェンスを越えられず、悔しがった。

カラフルな絵と不思議な言葉に彩られ、どこか懐かしくて優しい気持ちになれる五味氏の絵本。ホームランのプレゼントは、またの機会に。意外な交遊録に、どこまでも純粋で優しい清宮の原点を見つけた気がした。【日本ハム担当=中島宙恵】

日本ハム対楽天 大型ビジョンに表示された絵本作家五味太郎氏のイラスト(2022年3月30日撮影)
日本ハム対楽天 大型ビジョンに表示された絵本作家五味太郎氏のイラスト(2022年3月30日撮影)
日本ハム対西武 6回裏日本ハム1死一塁、清宮はフェンス直撃の二塁打を放つ(2022年3月30日撮影)
日本ハム対西武 6回裏日本ハム1死一塁、清宮はフェンス直撃の二塁打を放つ(2022年3月30日撮影)