「1軍半」。プロ野球の世界で1軍と2軍を行き来する選手を、そう呼ぶことがある。ソフトバンク野村大樹内野手(22)も、今はその1人。今季はここまで計3回、1軍に昇格しては2軍降格を繰り返す。現在は、ウエスタン・リーグで研さんを積む。なかなか1軍に定着できない現状を「全部の面において足りていないので。自分の実力を出せるようにやっていくしかないと思います」と受け止める。
限られたチャンスで「普通の結果」では生き残れない。チームは昨オフにFAで近藤をはじめ、補強総額は約80億円超えとも言われる大型補強を行った。さらに、シーズン中にデスパイネを再獲得。選手層の厚さは12球団屈指で、若手選手にとって「1軍定着」は簡単ではない。野村大は「誰が見ても文句ない成績を残さないといけない。(他の選手との)比較で負けない成績を出すしかない」と自身にも言い聞かせるが、越えていかなければならない壁は高い。
1軍では32試合に出場し、そのうちスタメン起用はわずか9試合と代打起用がほとんど。8月22日ロッテ戦(ZOZOマリン)では8回に代打出場し、逆方向の右翼席へプロ初本塁打を放った。だが、それ以降の出番は8月26日、同27日の楽天戦でともに代打出場の1打席のみ。いずれも、空振り三振に倒れ、翌28日に出場選手登録を抹消された。「1打席の勝負で狙い球を絞って打つのは難しい。(狙い球が)来なければ負けがほとんど。やっぱり、自分が対応できるようにうまくならないといけない」と課題と向き合い、次のチャンスを待つ。
チームはロッテ、楽天とクライマックスシリーズ進出争いを繰り広げている。「1軍で結果を出してこその世界だと思う。(1軍で)使いたいと思わせられない僕の責任でもありますし、もう1度、1軍で結果を出すために2軍に落ちたと思う。自分にとって必要な時間」。このままで23年シーズンを終わらせる気はない。22歳の若鷹の目が、そう語っていた。【ソフトバンク担当 佐藤究】




