ソフトバンクは今、苦しい。オリックスにリーグ3連覇を許し、クライマックスシリーズ(CS)に出場できるかも分からない。前半戦途中まで首位にいたチームが失速し、ナインのうつむく姿も散見される。そんな時、4カ月前の川瀬晃内野手(26)の言葉を思い出した。

「このチームはスーパースターばっかりですけど、1人ぐらい地味な選手がいてもいいと思ってます。まだ試合は続くので、泥臭くやっていきたい」

5月21日の西武戦で奇襲のセーフティーバント。お立ち台に上がった時に発したものだ。過去の実績にとらわれず、ひたむきにユニホームを汚した川瀬がすがすがしく見えた。

ロッテ、楽天とAクラスの座を争っている。ここまで来れば「気持ち」があるチームが勝つ気もする。精神論で片づけたくはないが、若い選手が雰囲気を変えてほしい。その結果が勝利に結びつかなくても、必死に戦う姿勢に納得するファンは多いだろう。

1つの全力疾走でも流れは変わるかもしれない。シーズン残り11試合で、ホークスの泥臭い野球が見たい。【ソフトバンク担当=只松憲】