<ソフトバンク1-6オリックス>◇23日◇ペイペイドーム

力の差を見せつけられた、と言ったら何とも悔しすぎるではないか。ソフトバンクがリーグ3連覇を果たしたオリックスに、あっさりと逆転負けを喫した。立ち上がりから不安定だった先発森が4回途中4失点KO。初回に今宮の9号ソロで先手を取ったのもつかの間の喜びだった。今季のオリックスとの対戦成績も11勝11敗の五分となった。

ホークスはこれでシーズン66敗目。昨年の黒星を上回って再び借金生活。残り10試合。何としても2位確定でクライマックスシリーズに進出したいところだが、体調不良者が続出。ようやく今宮、中村晃、三森らが復帰したもののチームのバランスがなかなか取れない。厳しいラストスパートと言わざるを得ない。

それにしても球宴前からの不振はどういうことだろう。7、8、9月で26勝39敗の借金13。12連敗があったとはいえ、再浮上の勢いを得ることなくシーズンを消化している状況だ。リーグVは果たせなかったものの、3位以内を確定させればCS突破、日本シリーズへと、まだまだ道は続く。懸命にスタンドで声をからす鷹ファンのことを考えれば、奮起したチーム一丸の姿を見せてもらいたいものだ。

7番三塁で先発出場した3年目の井上が悔しげに球場を後にした。1打席目に中前打を放つと、4回の2打席目には左翼線へ二塁打。プロ初の「猛打賞」かと思わせたが、7回の3打席目は田嶋の147キロの直球に浅い右飛。最終9回は1死一、二塁の好機に打席が回ってきたがワゲスパックのチェンジアップに空振り三振に倒れた。「まっすぐを打ちたかったです」。最終打席は初球から3球直球を投げ込まれたが、仕留められなかった。プロ2度目のマルチ安打の喜びよりも最後の打席の悔しさが募った。2安打もさることながら、バットが空を切った最終打席の悔しさを次戦にぶつけてもらいたい。

戦いは続くのだ。「秋風」が吹くにはまだまだ早すぎる。【佐竹英治】

ソフトバンク対オリックス 4回途中で降板となり、肩を落としてベンチへ戻る森(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 4回途中で降板となり、肩を落としてベンチへ戻る森(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 4回途中に降板する森(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対オリックス 4回途中に降板する森(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対オリックス 4回裏ソフトバンク2死、井上は左二塁打を放つ(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 4回裏ソフトバンク2死、井上は左二塁打を放つ(撮影・岩下翔太)