阪神門別啓人投手(19)が1軍定着を目指し、懸命に腕を磨いている。北海道屈指の高校生ナンバーワン左腕としてドラフト2位で入団。入団当初は「1年目は体造り重視」と土台作りに重きを置いていた。あれから約1年。本人に目標を聞いてみると少し、気持ちが変化していた。

「自分で投げられるなら、1軍で投げたいっていう気持ちが強いです。今は来年ローテに入りたいって思っているくらいなので、本当に頑張りたい」

ウエスタン・リーグ序盤は、なかなか無失点で抑える事ができなかった。だが、転機は7月中旬に先発したフレッシュオールスターでのマウンドからだと言う。「最初の方は社会人チームと対戦しても、全然通用しないと思ったけれど、フレッシュオールスターから自分の感覚がしっくりくるものがあって」。コツをつかみ、直後のウエスタン・リーグ広島戦での先発で6回4安打無失点。先発“初勝利”で徐々に自信をつけた。

10月のみやざきフェニックス・リーグでは、力強い直球で三振をとることをテーマに掲げていた。「しっかりと空振りを取れる真っすぐをもっと磨きたい。それにプラスして、スライダーにも課題があるのでスライダーでも空振りを取れるようにしたい」。ファームや1軍戦とシーズン通じ、感じた課題を自分なりに試行錯誤。頭を整理してから、高知秋季キャンプに臨んだ。

秋季キャンプ期間のブルペンでも、ズバズバと直球を投げ込む背番号30。岡田監督の期待値も高い。「体造りしつつ、春季キャンプでしっかり肩をつくりたいです」と門別。まだまだ伸びしろたっぷりの若虎が来季のブレーク選手に名乗り出る。【阪神担当 三宅ひとみ】

阪神門別らの投球練習に笑顔を見せる岡田監督(撮影・前岡正明)
阪神門別らの投球練習に笑顔を見せる岡田監督(撮影・前岡正明)