日本ハム加藤豪将内野手(29)にいただいた、あるお菓子が、わが家で大活躍している。

シーズン中のエスコンフィールドのベンチには、黄色いバケツに入ったたくさんの「ハイチュウ」が置いてある。これは加藤豪が持ってきた物で、選手が自由に練習の合間などに食べている。

あるとき、それをアルカンタラが両手に大量に持って手渡してくれた。記者は甘い物があまり得意ではなかったので、家に持ち帰って小5の娘にあげると「え!アルカンタラ選手がくれたの、うれしい!」と大層、喜んでいた。

これはもともと加藤豪が持ってきたものだと伝えると「めっちゃ応援しよう」。ポンセファンだった娘の中に、加藤豪将という新たなヒーローが誕生した。

この話を後日、加藤豪に伝えたところ「本当ですか!ちょっと待っていてください」と突如、ベンチ裏に入って行った。「ぷにしゃりハイチュウアソート」とプリントされた大きな箱を持ってきて「これ、持っていってください」と。中にはいろんな味が入った袋詰めハイチュウが何種類も。あまりに恐縮してしまい「これはもらえないよ」と一度は断ったのだが「いいんですよ、持っていってください!」と言うので、ありがたく持ち帰らせてもらった。

その約1カ月後の試合前練習の合間、ベンチで話す機会があったので「いつも娘がおいしくいただいてます。本当にありがとう」と、声をかけようとする前に、記者の顔を見て「あ!待っていてください」とまたベンチ裏に入っていった。数秒後、前回とは種類の違うハイチュウの大きな箱を持って「是非、持っていってください」と。さすがに「いやいや申し訳ないって」と断るも、加藤豪は爽やかに「本当にいいんです。持っていってください」と言うので、再び家に持ち帰ると、娘は大変喜び。

そのハイチュウが、意外なところでも活躍していた。この秋、高2の息子が九州と関西へ修学旅行に出かける際、最後に残っていたハイチュウをバッグに忍ばせて持っていったらしい。歯並びの矯正器具を付けている長男はハイチュウを食べないのだが「大阪で友だちとお好み焼きを食べた後に『口直しにどう』って配ったら喜ばれた」。この場を借りて感謝すると同時に、来季はハイチュウだけでなく、もっと野球の話もしっかり取材して記事にできるよう、精進したい。【日本ハム担当 永野高輔】