日本ハム球団公式チアリーダー「ファイターズガール」屈指の人気者で、今季限りでの卒業を発表した滝谷美夢さん(25)を、初めてインタビューした。

スタジアムで踊る姿は何度も拝見していたが、話している滝谷さんを生で見たことがなかった。実際に対面してみると、礼儀正しく、受け答えがしっかりしていて、さわやかで笑顔もきらきらしていて…。人気が出るのもうなずける。

昨年は「きつねダンス」で大ブレーク。NHK紅白歌合戦への出演などで、一気に知名度は上がった。今季は新球場エスコンフィールドでスタジアムツアーを担い、来場者から何度も声をかけられたと言う。「きつねダンスのおかげでファイターズガールの存在を広く知ってもらえて、本当にありがたいです」。

ファイターズガールを指導し「きつねダンス」「ジンギスカンダンス」の発案者、尾暮沙織さんが、滝谷さんの仕事っぷりについて教えてくれた。「仕事に臨む姿勢がしっかりしていて賢い。こちらの意図をすぐに理解してくれるので頼みやすい」。

卒業後は芸能活動を目指しているようだ。持ち前のまじめさに加え「想定外のことが起こるとあたふたしてしまっていた(滝谷さん)」というMCも、指導スタッフ松田佳月先生の「変に真面目すぎるから、ちゃんと殻破った方がいいよ。どちらかというと、何かつまんない」という厳しい指摘で目が覚めたという。「しっかり者」ゆえの「つまらなさ」は、どストレートな言葉をぶつけられ、いい意味で格好つけない、自然体の滝谷さんをさらけ出すきっかけになったのでは。それが大人気につながったのかもしれない。

四半世紀以上前、記者は“夢の国”で働いていた。学生時代、東京ディズニーランドで数週間、アルバイトを経験。ちょうど12月のクリスマスマスシーズンで、グリーンに赤い飾りの付いたかわいらしい服をまとい、シンデレラ城前で、来場者への案内や写真撮影を頼まれたりしていた。

アルバイトに入る際の研修で“お客さまに現実感を思い出させないようにしなければいけませんよ”というような厳しい教育を受けた。頑張ってさわやかなスマイルを振りまいていると、女性2人連れから「写真を撮って下さい」と頼まれた。「いいですよ。カメラを貸して下さい」と言うと「一緒に並んでお願いします」。見ず知らずの女性と並んで写真を頼まれるのは、それが初めて。気が付くと、記者と写真を撮りたいという来場者が数人、列をつくっていた。

ドキドキしながら、ディズニーランド様に泥を塗らぬよう、渾身(こんしん)の笑顔をして応えてみせた(と思っている)。だが、今思えば、本当にお客さまに楽しんでもらいたいと思っていたのかといえば、疑問だ。「え、オレと写真? ないだろ。列? ありえねえ…」なんて、ちょっぴり思っていたような気もする。一生懸命やっていたはずだが、滝谷さんが見せる、本心から出た、透き通った自然なスマイルとは次元が違ったと、思う。

滝谷さんの名前は美夢と書いて「みゆ」と読む。みゆ…と言えば…80年代後半にヒットした小泉今日子さんの曲「夜明けのMEW(みゅう)」を、ふと思い出した。ちなみに「MEW」は英語圏でのネコの鳴き声を意味する。恋のせつなさを子猫の泣き声に重ねてつづったような、すてきな歌だった。

ファイターズガールから「巣立ちのMEW」-。北海道のファンは寂しい思いをするのかもしれないが「北海道が大好きなので。北海道を盛り上げられるようなエンターテインメントをお届けしたいなという気持ちもあります」。活躍の場所は、人それぞれ。その名のごとく、美しい夢に向かい、飾ることなく、思いっきり、羽ばたいていってほしい。可能性は無限大。今後の活躍を想像すると、冬なんですけど、眠れないぃ~夏ぅ~(鼻声で)。【日本ハム担当 永野高輔】