じりじりと照りつける高知の日差しを浴び、選手が課題へと向き合う秋季キャンプ。阪神は1日から高知・安芸市で30人を超えるメンバーが汗を流す。第3クールも3日目を終え、残り2日となった。
ルーキーたちにとってプロ1年目を終え、後輩が入る来季へと鍛錬を積む時間だ。昨年の育成ドラフト2位指名、福島圭音外野手(23)は貪欲に先輩のアドバイスを求めた。14日の走塁練習。ともに二塁への走塁を繰り返す中、中野拓夢内野手(28)と話し込んだ。「スタート時の意識と足の使い方ですね。身長が高い選手とはストライドが違う分、足を速く使わないといけないという話をしました」。先輩の言葉をしっかりと脳裏に焼き付けた。
1年目の今季は持ち味を発揮できなかった。50メートル5秒8で、白鴎大の4年春には20盗塁で関甲新学生リーグの連盟記録を15年ぶりに更新した快足が武器。春季沖縄キャンプでは1軍も経験した。だが、積極的に仕掛けられず、結果は残せなかった。ウエスタン・リーグでは110試合の出場で27度中、15盗塁。1年を振り返り、「20点ぐらいですかね。悪いこともありましたけど、成長できた年ではあった」。課題を見つけた1年だった。
一番の変化にはメンタルを挙げた。学生時代と比較すると試合数が圧倒的に多い。143試合を戦い抜くため、気持ちの切り替えも大事になる。「スタメンじゃなかったら気持ちが落ちたり。毎日同じ気持ちでやることを意識してたんですけど、それが難しかった」。2年連続1軍で全試合出場を果たした中野はまさに手本だった。
1年目の21年には30盗塁で盗塁王、昨年はセ・リーグの最多安打にも輝いた中野。ポジションの違いはあれど、身長は同じ171センチで、右投げ左打ちと共通点が多い。走塁だけでなく、打撃でも参考にしている部分は多いという。「タイトル取ってる選手と考えが近いというのはすごく自信になります」。秋季キャンプをともにする先輩との時間をフル活用している。
中野も後輩からの質問に「技術に関して自分がやってることを教えたり、共有してあげるのは大事」とウエルカムだ。背番号126が来季もこだわるのはやはり盗塁数。「来年はもっと成功率上げていかないといけない。勝負の年だと思ってます」。育成2年目で飛躍すべく、実りの秋にする。【阪神担当=村松万里子】




