ようやく阪神のポストシーズンが始まる。史上最速9月7日の優勝決定から中37日。レギュラーシーズンが終わった10月2日から中12日。気がつけば秋が深まり、ナイターの時間帯は半袖だけでは心もとない。

出場6チームは毎回、この期間をどう過ごすか頭をひねった。最も間隔が空く阪神はフェニックスリーグに1軍本隊を“移設”することにした。

野手陣のミーティングの中心で笑顔を見せる阪神森下(撮影・和賀正仁)
野手陣のミーティングの中心で笑顔を見せる阪神森下(撮影・和賀正仁)

2軍が経験を積む秋の教育リーグで、藤川球児監督(45)と1軍コーチ陣が初日からベンチに入り、1軍選手がプレーした。CSの先発要員は自分が投げる日に合わせて1泊で弾丸往復。貴重な対外試合は何ものにも代えがたい。

では、フェニックスリーグ以外にどんな選択肢があったのだろうか。

練習の合間に笑顔を見せる阪神藤川監督(撮影・石井愛子)
練習の合間に笑顔を見せる阪神藤川監督(撮影・石井愛子)

同じリーグ覇者のソフトバンクはキャンプ地でもある宮崎に行かず、みずほペイペイドームで調整した。ドームで社会人との3軍戦を組んで、調整が必要な1軍主力を投げさせた。

対戦形式の「ライブBP」も実施。モイネロ対柳田悠岐など、身内同士の対決で実戦感覚のキープに努めた。投手の球筋を再現する最新マシン「トラジェクトアーク」も活用している。なお、山川穂高のように志願してフェニックスリーグに参加した選手もいる。

CSファーストに出場する巨人とDeNAは本拠地で社会人チームと練習試合。同じく日本ハム、オリックスは地元のドームで紅白戦を組んだ。オリックスはリーグ3連覇した当時も同じような形をとった。

阪神は日本一になった23年も、フェニックスリーグに1軍選手を派遣。岡田監督も視察した。移動の負荷や、若手選手の実戦の場が削られるというデメリットはあるが、フェニックスリーグ利用は総合的に有効、と球団は判断している。

今年は悪天候予想によって、主力の派遣を前日に取りやめる急展開があった。宮崎まで行って試合ができないリスクもある。結局、代替措置として甲子園で2日間、シート打撃を行い、主軸も十数打席ずつ、たっぷり打席に立った。しかも自軍の主力投手と対戦できた。「速い球を見られた」「本番を想定できた」という選手の反応を見ても、文字通り、雨降って地固まる-となったのではないか。

ナイター練習をする阪神ナイン(撮影・石井愛子)
ナイター練習をする阪神ナイン(撮影・石井愛子)

メジャーとの比較で日程の間延び問題がよく取りざたされるが、日本なりの事情があってこうなっている。逆に、心身ともにリフレッシュされた状態で仕切り直せるのは大きなプラス面ではないか。阪神の主力勢の鋭いスイングを見ていて、そう思った。メジャーに負けない熱戦を期待したい。【阪神担当 柏原誠】

【イラスト】セ・リーグのクライマックスシリーズ日程
【イラスト】セ・リーグのクライマックスシリーズ日程