田村藤夫氏(63)が3年連続でフェニックスリーグ(宮崎)を現地からリポートする。巨人の秋広優人(20)の課題は、弱点をどこまで自己分析しているかにある。

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昨年のルーキーイヤーから大きな期待を集めてきた。スケールの大きさと長打が魅力だ。私が見た18日のソフトバンク戦では本塁打を放っているが、そこまではフェニックスリーグでも無安打が続いたと聞く。どんなに優秀なバッターでも、好不調の波はつきもの。秋広も、なるべく不調の波を小さく、そして深くならないうちに抜け出したい。

この試合で感じたことは、自分の弱点をどう分析しているか、ということだった。膝元を攻められていた。イースタン・リーグでは同じコースの変化球を右翼へ本塁打しており、そこだけが苦手とは思わない。

しかし、相手バッテリーは秋広の膝元を攻めやすい。2メートルの秋広は、必然的に高低のストライクゾーンが広くなる。的が大きいということは、投手からすれば投げやすくなる。打ち損じが出れば、どんどん投げてくる。

もちろん、秋広にもその自覚はあるだろう。第1打席のホームランは、0-1からの内角まっすぐを確実にとらえた。第2打席では初球真っすぐ、2球目スライダーがいずれも内角で、これはしっかり見極めていた。3-1から真ん中低めの落ちるボールを右前打。

3打席目で初球膝元スライダーを空振り。見逃せばボールだろう。カウント2-2から外寄り低め真っすぐを中前打。第4打席は捕手の構えは外角も、内角への逆球に詰まった併殺打となった。

1打席の中でほぼ1球は内角に投げられている。内角を攻められるのはどの打者も同じだが、秋広の場合は、膝元付近をピンポイントで攻めようというバッテリーの狙いが感じられた。甘いボールはとらえている。そこはいい。問題は、ボール球に手を出して、自分のスイングを崩すきっかけを作らないことだ。

第3打席の初球がまさにそういうボールになる。ストライクからボールになる膝元のスライダーを見極めることができるか、手を出してしまうか。ここが大切だ。際どいならファウルで逃げることも覚えないと、バッティングを崩すほころびになりかねない。

膝元のストライクをうまく打ったとしても、次の打席で同じコースでボール球に手を出すと、膝元を過度に意識しバッティングが狂ってくる。そこを徹底して見極められるかが、今後のポイントになる。(日刊スポーツ評論家)