プロ野球ドラフト会議が、24日に実施される。「ドラフトを待つ男たち」は、今秋ドラフト1位候補の最速160キロ右腕の愛知工大・中村優斗投手(4年=諫早農)。3月の侍ジャパンに選出された剛腕の、「運命の日」を迎える直前の心境に迫った。
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愛知工大の中村は、諫早農(長崎)時代に公務員になることを目指していた。「高校が『公務員目指す』ってところだったので。長崎県庁とか長崎市役所に就職しようかなって思ってました」と笑顔で明かした。
転機は夏の甲子園行きをかけた高校2年時の長崎大会だった。瓊浦(けいほ)との2回戦で完封。元ロッテで活躍した愛知工大の平井光親監督(57)のもとに、現地観戦していた母校・東福岡時代の先輩から「いいピッチャーがいる」と情報が入り、愛知県から足しげく長崎に足を運んで声をかけ続けた。そして進路希望は公務員から野球に徐々にシフトしていった。
大学進学後はウエートトレーニングに精を出し、成果は数字に表れていった。入学当初は最速145キロだったが、1年秋に150キロの大台に到達。そこから「プロ」を意識するようになった。入学時から続けてきた(下背部、臀部=でんぶなどを鍛える)デッドリフトのMAXは150キロから230キロを持ち上げるまで進化。体重も76キロから約10キロ増量した。
「最速157キロ右腕」として侍ジャパン井端監督の目に留まった。3月の強化試合メンバーに選出され、全国にその名を知らしめた。NPBトップ選手がチームメートとなり「もうほんとに夢のような時間でした」。同じく選出された今秋ドラフト目玉候補の関大金丸とも親交を深め「初めて(金丸の)ボールを見た時は『これはかなわないな』って思いました」と苦笑い。ただ「金丸が同世代で今一番いいピッチャー。でもいつかは追い抜きたいです」と目をギラつかせた。
先発、リリーフでも経験豊富な右腕は野球人生で大きな故障はしたことがないという。プロ入りがかなえば「まずは1年間戦い抜ける体というのを武器にやっていきたい」と力を込めた。最速160キロを誇る筋骨隆々のタフネス右腕が、プロ野球の世界に飛び込む。【古財稜明】
◆中村優斗(なかむら・ゆうと)2003年2月8日生まれ、長崎県諫早市出身。長田小2年時に長田ジュニアクラブで野球を始め、長田中では軟式野球部に所属。諫早農では1年秋からエース。愛知工大では1年春からベンチ入り。球種は最速160キロの直球、スライダー、フォーク、カットボール、チェンジアップ、カーブ。176センチ、85キロ。右投げ左打ち。




