20歳のヤクルト村上宗隆内野手が開幕から打率3割を維持している。開幕戦の6打数2安打から始まり、90試合に出場して1度も打率3割を切らずに、現在の打率が3割2分3厘。今季、規定打席に到達して開幕から打率3割以上を続けているのは両リーグで宮崎(DeNA)と村上だけだ。

昨年の村上は36本塁打、96打点を記録したが、打率はセ・リーグ最下位の2割3分1厘。打率最下位の翌年に3割を打つのは珍しい。最下位年で引退、退団した13人を除き、打率最下位になった延べ140人の翌年成績を調べると、半数以上の延べ76人が規定打席に到達できなかった。規定打席に到達して打率3割以上は95年2割2分4厘→96年3割1分5厘の片岡(日本ハム)と96年2割4分3厘→97年3割4厘の佐々木(西武)しかいない。片岡はプロ入り2年連続打率10傑入りし、佐々木はダイエー時代の92年に首位打者。過去の2例は実績のある打者の復活だった。もちろん、最下位の翌年に首位打者は過去におらず、セ・リーグでは打率3割もいない。

1リーグ時代の39年に19歳の川上(巨人)が首位打者になったが、2リーグ制後に20歳以下のシーズンに打率3割以上は19歳の86年清原(西武)らパ・リーグの3人だけ。村上が、昨年の打率最下位からセ・リーグ最年少3割打者になろうとしている。【伊藤友一】

打率最下位選手の翌年成績
打率最下位選手の翌年成績
ヤクルト村上宗隆(2020年9月21日撮影)
ヤクルト村上宗隆(2020年9月21日撮影)