9回打ち切り制を採用した今季のプロ野球は予想通りに引き分けが増えた。

27日現在の引き分けは91試合。12年の74試合を上回る最多記録だ。史上最多となった今季の引き分けを検証してみる。0-0の6試合を除いた85試合は、同点に追い付いて黒星を免れたチームと、追い付かれて白星を逃したチームに分けられる。今回はこの点に着目した。追い付いた引き分けはソフトバンクの11試合が最も多く、次いでロッテと西武が10試合。少ないのはヤクルトとDeNAで、ヤクルトは16試合のうち3試合、DeNAは14試合のうち3試合しかなかい。

追いついた引き分けと追いつかれた引き分け
追いついた引き分けと追いつかれた引き分け

同じ追い付いたケースでも早いイニングと終盤では価値が違う。セットアッパーや抑えから得点した場合は、まさしく勝利に等しい引き分けと言えるかもしれない。終盤に追い付いた試合が多いのがロッテだ。8回が4試合、9回が5試合で、終盤の同点劇が9試合もある。5月12日ソフトバンク戦の9回は6-8から荻野の犠飛などで2点、同14日西武戦の9回にはレアードが同点2ランと、2試合連続で9回に追い付いて引き分けた。この打線の粘りが、首位にいる要因になっているのは間違いない。

逆に、追い付かれた引き分けは日本ハム12試合、ヤクルト11試合、DeNA10試合の順で多い。ヤクルトは8回に同点にされたのが2試合、9回は5試合あり、後半戦だけでマクガフが9回に3試合やられている。阪神は追い付かれたのが2試合だけで、チームの引き分け数が少ないのはリードをしっかり守っているためかもしれない。

引き分け数をポイントに換算すると…
引き分け数をポイントに換算すると…

12球団の引き分けをポイント化してみた。追い付いたケースが1点、追い付かれたケースはマイナス1点。さらに、追い付いたイニングによって7回は0・5点、8回は1点、9回は1・5点ずつ加点、追い付かれた場合は減点した。結果、ポイント1位はロッテの11点、2位は中日の6・5点となり、ロッテは引き分けで最も得をしているチームと言えそう。現在、セ・リーグ首位のヤクルトは11位のマイナス16点で、両リーグの首位が対照的なポイントとなった。終盤の8、9回に追い付いた「ロッテの消えた9敗」と8、9回に追い付かれた「ヤクルトの消えた7勝」が、最後の優勝争いでどのような影響を与えるだろうか。【記録室】