コロナ禍で緊急事態宣言が出された後、朝日新聞(大阪版)を読んで思わず納得してしまいました。
9日付文化・文芸面に掲載された瀬戸内寂聴さんのエッセー「残された日々」です。月1の掲載で愛読されている方も多いと思いますが、こんなことを書いておられました。
「外出は出来るだけひかえ、家にこもり、他者と逢(あ)わない生活が、どれほど心身に悪影響を与えるか、想像するまでもない」
このエッセーを読んで、すでに2週間。寂聴さんがおっしゃるとおり、自粛生活で心身とも何とも言えない妙な感じになっている方も多いのではないでしょうか。
それでも専門家が言うようになるべく、家にいて人に会わないようにしなければならないのが今の現実なのでしょう。
だからこそプロ野球ではないか。そう思って仕方がないのです。人に会えなくても戦況、結果でメールなどで楽しめる。野球に興味のない方には申し訳ないけれども戦前戦後を通じて国民的娯楽として浸透してきたプロ野球が、今、生活にほしいと思います。
23日に行われた12球団代表者会議。公式戦を無観客で開幕する方針が示されました。公式戦が無観客開催となれば史上初めてになります。ファンあってのプロ野球ですが、まずはここからスタートしたい、ということでしょう。少しずつ、です。
そしてもう1つ、動きがありました。プロ野球選手で初めて新型コロナウイルスに罹患(りかん)した阪神藤浪晋太郎投手ら3人がこの日、会見を行いました。この3人と女性3人の感染が確認された大勢での食事会に出席した、ということで世間の批判も浴びました。藤浪は「軽率な行動だった」と反省していることを伝えました。
コロナ禍であらゆる人が心身両面で傷ついています。社会はもちろん、プロ野球も、藤浪もそう、そしてファンも同じでしょう。しかし私たちには未来があります。亡くなった方々の無念を想像しながら、生きている者は先へ向かわなくてはいけない。
新型コロナとの闘いが戦争なら、それがまん延する前は「戦前」。今は「戦中」でしょうか。「戦中」に考えるのは「戦後」のことでなければならないと思います。再び、人間らしい、楽しめる生活へ。プロ野球開幕、そして藤浪の好投がそのきっかけになれば、と願うのです。




