報徳学園(東兵庫)が28日に8年ぶり15度目の夏の甲子園出場を決めたが、その道のりは涙から始まった。
春の県大会2回戦で報徳学園は滝川二に1-2で逆転負けし、10年ぶりに第1シードを逃した。試合後、主将の神頭勇介内野手(3年)は涙が止まらなかった。直前の地区大会でも敗戦し、第2代表として県大会に出場。何かを変えないと-。選手たちは早朝から集まり、掃除やランニング、ミーティングを行った。それでも、また勝てなかった。まだ何が必要なのか-。「まだ分からないです」と神頭は胸のうちを話していた。
その日の試合後のミーティング。「絶対負けて終わらへんぞ! 俺も変わるからみんなで変わろう! ここから男になろう! 絶対あきらめんな! はいあがるぞ!」という大角健二監督(38)の言葉から夏への道のりは始まった。数年ぶりに練習合宿が復活。朝5時から素振りを行い、毎晩夏に向けてのミーティングを行った。OBもノックをしに来てくれた。「(春の)あの時、あそこまで泣くチームを今までみたことがなかった」と大角監督。夏の甲子園へ、全てを注いだ。
迎えた夏の大会直前にも、試練は待っていた。正三塁手だった稲葉悠内野手が(3年)が、練習試合で自打球を2度左足に当てて骨折。今大会は松葉づえ姿で戦いを見守っていた。代わって起用されたのは2年生の大崎秀真内野手だった。大角監督は「かけでした」と話したものの、決勝戦で先制の好機をつくる二塁打を放つなど大きく貢献。チームは勝利のために1つになっていた。
8年ぶりの夏の頂点を決めると、選手だれもが抱き合い涙した。試合後のベンチで、主将の神頭がふとこぼした。「全部報われた」。4カ月前の涙に意味があったと、この日の涙が証明した。【磯綾乃】





