
- 試合前、ベンチの中で円陣を組む阪神の選手たち。後方中央は矢野監督(撮影・狩俣裕三)
10連休だった方々は無事に職場へ学校へ足を向けることができただろうか。ゆっくり休めた方々に対してジェラシーを含みつつ妙な心配をしたりして。ちょっとつらい人もすぐまた休みが来るのでボチボチとやってほしいものだ。
しかし興行であるプロ野球は一般の人が休みのときこそ最盛期。阪神も連日、死闘を続けている。その12連戦も8日で終わりだ。と言っても1日休むだけですぐに試合が始まるのだが気持ち的にもずっと続くのはやはり、しんどい。そんな中、この試合前にちょっとした“改革”が行われた。
通常、ゲーム前にはホーム、ビジターにかかわらずシートノックを行う。野手が守る可能性のあるそれぞれのポジションについて、試合直前にノックを受けるものだ。念のため。このヤクルト戦の前、阪神はそれを実施しなかった。ヤクルトはやった。
最大の狙いは体力面の負担を減らし、フレッシュな感覚で本番に臨ませることだ。だが練習は練習。やらなくてミスが出れば、なんとなく気分がよくない。相手チームにしても「やらんのかいな」という感覚を持つこともあるそうだ。
とはいえ毎日ノックをしていても失策が出るときは出る。この日も1つ出たが、それは直前にノックをするしないにあまり関係はないだろう。大体、打撃練習中に守備練習もしているのだから。
そんなこともあって最近では巨人の指揮官・原辰徳が選手のコンディションを考えて、シートノックをやらない決断もしている。だが慣例にしばられがちな阪神にとってはかなりめずらしいことと言える。
長時間の接戦をなんとか制し、ナインは虎党を喜ばせた。その後でヘッドコーチの清水雅治に聞いてみる。ノックをやらなかったのはどんな理由から?
「そうですね。ボクの方から監督に言いました。選手に疲労も見えるし、一度、そうしてみましょうかという話をして。勝ててよかったけれど。もっと打ってくれれば、なお、よかったですけどね」
以前から書いているが清水は矢野の希望で外部から招いたコーチだ。それだけに新しいことをやりやすい。この日の“改革”が直接、勝利に結びついたかどうかは分からないが監督に一番近いヘッドコーチとして気付いた点、いいと思ったことは実践していってほしいと思う。(敬称略)

- 試合後、秋山(中央右)とタッチを交わす矢野監督(同左)(撮影・狩俣裕三)




