広島対阪神 西(左)は最後を締めた藤川を迎える(撮影・今浪浩三)
広島対阪神 西(左)は最後を締めた藤川を迎える(撮影・今浪浩三)

阪神西勇輝、広島床田寛樹と好投手の先発で始まった試合で両軍が放った安打はともに7本だった。打撃面では1歩も譲らぬ戦いとなったのだが、少しだけ攻撃、あるいはディフェンス面で違った点があった。

四球である。広島投手陣は3四球を出した。それがつながり、結果的に阪神打者が四球を選んだ2、8回はともに得点が入った。

比較して阪神投手陣は無四球だった。ベンチが繰り出した西、ジョンソン、岩崎優、そして藤川球児の4投手は9回まで1つの四球も出さなかった。失点は1回、西が菊池涼介に浴びた本塁打のみ。この日の勝敗の分岐点は四球にあったと言ってもいい。

なにしろ灼熱(しゃくねつ)の暑さといってもいいマツダスタジアム。歩いているだけでフウフウ言ってしまうような暑さの中で全力投球し、しかもコントロールを乱さないのだから先発の西はもちろん救援陣の集中力には頭が下がる。

「本当のところ、ブルペンはサウナみたいに暑いんです。仕方ないけれどね。ひょっとしてマウンドに行った方が涼しいのかもしれません」。ブルペン担当の投手コーチ・金村暁はそう苦笑した。

前日、大瀬良大地に完封された阪神は1つの四球も選べなかった。この2試合に関しては四球を出した方が負けたことになる。

さらに言えば阪神投手陣が四球を出さなかった試合は今季これで3試合目だ。過去は7月7日の広島戦(甲子園)同21日のヤクルト戦(同)。2試合とも勝っている。無四球試合はこれで3連勝となった。

「四球は投手のミスですから。打たせれば野手のファインプレーでアウトにできるかもしれない。四球を与えれば文句なしに塁を一つ与えてしまう。だから四球はダメなんです」

四球について、かつてそう聞いたのは藤浪晋太郎からだ。皮肉にも現在、制球難に悩んでいる。人一倍、コントロールの重要さを実感しているからこその苦しみかもしれないが…。

阪神が負けているときは回の先頭打者に四球を与え、失点することも多い。「先頭打者への四球はまず点につながる。野球100年の歴史や」。口癖のように繰り返していたのは闘将・星野仙一だった。そんな言葉を思い出した今季100試合目だった。広島に3・5ゲーム差に戻し、首位巨人へも6・5差に。少しだけ面白くなってきた。(敬称略)

阪神対広島 ベンチ内で円陣を組む矢野燿大監督と阪神の選手(撮影・奥田泰也)=2019年8月3日、マツダスタジアム
阪神対広島 ベンチ内で円陣を組む矢野燿大監督と阪神の選手(撮影・奥田泰也)=2019年8月3日、マツダスタジアム