ボーア、サンズ、それにスアレス。29日に阪神球団事務所で行われた新入団会見をのぞいた。いずれも大型選手だ。阪神の助っ人は意外に小柄だったりすることが多いので、今回、見た目については“大型補強”成功である。

助っ人が充実すれば若手の出番が減るのは避けられない。そのバランスを取るのが難しいのはどこも同じだ。それでも阪神がここ数年、力を入れてきた若手育成の流れは続けてほしい。

若手育成となれば、やはり新人からの意識づけは大事だろう。そんなルーキーたちの合同自主トレについて「おっ!」と思ったことがあった。技術ではなく、身につけている“ビブス”、いわゆるチョッキだ。

昨年まで阪神の新人合同自主トレは一般のビブスの上に名前を書いた四角い布のゼッケンを貼り付けていた。対して例えば巨人などは、名前がプリントされた専用のビブスを数年前からつくっていた。

それに比べれば阪神のものはいかにもアマチュアっぽかったのは否定できない。以前から球団関係者にそんな話をしていたが「別にいいんじゃないですか。新人だし、名前が分かれば」などという感じで、反応はいまいちだった。

ところが今年だ。阪神のものもきっちりしたビブスに変わっているではないか。「ついに巨人並みになったか!」というのは悪口だとしてもなかなかプロっぽくなった。

阪神のユニホームを手かげるミズノ関係者によると「今年は阪神、中日に加え、楽天、ロッテが増えたので…」という。他にも広島のホーム用を担当しているが担当球団が多くなったことが要因の1つのようだ。

見た目から入るのは重要である。特に若者はそうだ。昔は見た目なんか…という考えも通用したが今は違う。練習で着るジャージーにしてもおしゃれでかっこよくなっている。そんな状況を知っている若者が阪神に入ってみて「ゼッケンか…」と思うのと、かっこいいと思うのは違うだろう。

見た目はかっこよく、練習は厳しく。それでこそプロだ。外国人も新人もそれは同じ。そのルーキーたちの合同自主トレも30日で打ち上げだ。2月1日からはキャンプ・イン、ビブスとはお別れしてユニホームに袖を通す。「ビブス1年目」のルーキーの様子も見守っていきたい。(敬称略)