「ごっついな、すごいな」というより、もはや「大丈夫か?」という感覚になってきたかもしれない。大物ルーキー佐藤輝明が初の関東遠征で連発。ドラフト後のOP戦本塁打記録を49年ぶりに塗り替えた。

「もうシーズンにとっといて」。長年の虎党ならそう心配したくなるような爆発ぶりだろう。とはいえ、やはり楽しみなのは言うまでもない。胸躍らせて開幕を待つことができそうだ。

その佐藤輝を含む3本塁打もあって西武に快勝。いい白星だったけれど、今季こそ本当に優勝を意識しているのでここは細かいことを言いたい。マルテの様子についてだ。

指揮官・矢野燿大は開幕で「3番一塁」でマルテを起用するようだ。打撃好調、選球眼もよくむちゃぶりもしない。だから使いたくなるのは分かるのだが、やはり、不安も残る。

まずは守備面だ。昨季、10月23日の巨人戦で4失策したのは記憶に新しい。これは一塁手としてのワースト記録。「言いようがないわ。あれじゃ勝てるわけない。あまりにも簡単なミスというか。難しい打球じゃないんで」。あまり選手を責めない矢野もそのときは虎番キャップたちに囲まれ、そう嘆いていた。

マルテはこの日、2回に失策した。1死一、二塁から木村文紀の一ゴロは複雑な回転が掛かっていたのか処理できなかった。一塁走者も気になったようで気の毒な面もあった。守備はマルテも課題にしているようで2月のキャンプでは外国人選手としては異例の“早出特守”も行っていた。

だがもう1つ、首をひねる場面があった。3点リードの3回、1死二、三塁の好機。打席には佐藤輝がいた。OP戦ながら固唾(かたず)をのんで虎党が見守っていた。ここで西武先発・今井達也はくるりと回転して二塁にけん制。二塁走者マルテはこれにあっさり刺されてしまった。

先の塁を意識する姿勢があるのはいいが、ここは危険を冒す場面ではないはず。長打ならゆっくり生還できるし、単打なら無理しなくてもいいケース。それでなくても打者は佐藤輝だった。これは少し気が抜けていたと指摘されても仕方がないだろう。

序盤に大山悠輔、梅野隆太郎が盗塁するなど1発攻勢だけではない攻撃も見せた阪神。ライバルを押しのけて、スタメン出場するのなら助っ人にもピリッとしたものを求めたい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)