あと1点か-。そう書くと「何を見とったんや。2-4で負けたんやからあと2点、いや3点やろ」と虎党から叱られそうだ。この日に限ればその通りだけど敗色濃厚な終盤、ちょっと違うことを考えていた。
思い出してほしい。この神宮に来る直前の試合、27日巨人戦(甲子園)の結果を。阪神は左腕・伊藤将司が完封し、打っては19安打15得点の今季最多得点をマークした。
そんな大勝の次の試合、次のカードは打線が振るわず、勝てないことも多いとされる。それこそ「1-0」でも勝てたのだから“不要の14得点”はこのヤクルト3連戦に取っておけばいいのに。そううまくいくはずもないが、とりあえず、このコラムでもそんな話を書いた。
だが阪神打線は大勝の後も湿らなかったのである。28日が4得点、29日は大量7得点、そしてこの日は終盤の粘りで2得点。算数に弱いので念のため書き出すと「4+7+2=13」。3試合で13得点だ。もう1点あれば「置いとかんでも同じだけ取ったで」とナインから文句を言われそうな感じだったと思ったりする。
ワケの分からないことを書いたが阪神打線は上向きになってきたということだ。巨人戦で一気に爆発し、それで終わらず徐々に調子を上げてきた。特に佐藤輝明に少しだけ雰囲気が出てきたのは大きいと思う。
3月31日の開幕から1カ月を終え、24試合で13勝10敗1分けの貯金3。開幕のDeNA戦に3連勝した後は5割の成績だった。大喜びするような開幕ダッシュではないが15年ぶり復帰の指揮官・岡田彰布にとってはまずまずの船出だろう。
「まあ、貯金があるいうのはエエことちゃうの。はっきり言うて」。岡田も虎番キャップたちにそう話したもの。はっきり言って、そうだ。
3連勝あり、スイープあり。3連敗はなかった。唯一「カード全敗」だったのは14、16日に喫したDeNA戦の連敗だ。15日が雨天中止だったので3連敗こそ免れたものの1つも勝てなかった。そのDeNAが首位を快走しているのだから、あそこで1勝もできなかったのが効いているような気がしなくもない。
さあ5月。まずは甲子園での中日戦からだ。焦点は12日からのDeNA3連戦(甲子園)か。いや、まだ早い。まずは1歩1歩、足元を確かめながら、じっくりである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




