そんなんおまえ負けるよと言わんばかりの大敗である。先発・才木浩人は制球が定まらない苦しい投球だったが、なんとか5回無失点。2番手・島本浩也も1回をピシャリ抑えて、得意の接戦パターンに入ろうかというところでブルペン陣が崩れた試合だ。

湯浅京己がファームに行き、前日には代わりにクローザーを任せたい岩崎優も打たれた。さらにここまで無失点で来た加治屋蓮の失点から一気にソフトバンクのペースにはまり、終わってみれば「0-9」といわゆる放棄試合のスコア。今季ワーストの得点差敗戦となって、もう、見出し的には「ブルペン陣崩壊」という感じだ。

しかし敗戦後の指揮官・岡田彰布の表情は不思議なぐらい明るかった。沈痛な虎番キャップたちに囲まれて言い切ったものである。「調子ようないのに(交流戦)借金3なんて御の字よ、はっきり言うて」。

勝負、物事を考えるときに最悪のケースから想定する岡田の思想からいけば「この程度でよくすんだ」という感じなのかもしれない。もちろん、負け惜しみの部分も数%は入っているかもしれないが、結構、本気でそう感じているはずだ。

この大敗の影で営業関係者は胸をなで下ろしていた。今週は天気予報も気にしていたが、6連戦はすべて開催。しかも連日、今季の観客数を更新していった。この日も最多4万2640人が来場し「いい光景でした」と同関係者は言う。

もちろんチームにも意味はあったはずだ。きっちり6試合を消化できたことで19日から4日間のブレークが取れる。日程のことを言っても仕方がないが延長12回ドローに終わった5日ロッテ戦から仙台、札幌の移動を含む9連戦はやはり、厳しかったと思う。

古い虎党は多くのシーズンで失速する阪神の歴史を知っているだけに「ついに来たか」という思いでいるかもしれない。チーム打率はリーグの中で特に高くなく、投手陣で勝ってきただけに、ここ数日の状態は確かに不安である。正直に言えば、こちらもちらりとそんな思いが頭をかすめる。

それでも「貯金14」でリーグ首位という事実は変わらない。岡田が言うように「これまでが出来過ぎ」という部分も正解だろう。大事なのはここからどう戦っていくか、だ。経験のある岡田を復帰させた意味もそこにあるし、もちろん本人もそれを分かっている。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対ソフトバンク 7回表ソフトバンク2死一、二塁、交代を告げベンチに戻る阪神岡田監督(撮影・藤尾明華)
阪神対ソフトバンク 7回表ソフトバンク2死一、二塁、交代を告げベンチに戻る阪神岡田監督(撮影・藤尾明華)
4回表ソフトバンク2死一、二塁、甲斐を三振に仕留め、ガッツポーズをする阪神才木(撮影・藤尾明華)
4回表ソフトバンク2死一、二塁、甲斐を三振に仕留め、ガッツポーズをする阪神才木(撮影・藤尾明華)