神宮で連敗はせず、後半戦初勝利、2桁貯金はしっかりキープした。
伊藤将司は粘り強く投げたし、7回には梅野隆太郎のバント、渡辺諒の一ゴロに幸運もあったし。さらに佐藤輝明も打ち、近本光司の美技も飛び出した。接戦を取れたことはよかったと思う。
それでも「どうもな」と思う要素がある。ズバリ、ノイジーだ。この試合、5打席が巡った。そのうち4度がポコンと打ち上げたような飛球。唯一、四球で出塁した8回にダメ押しの2点が入ったのだが。
まだ2試合とはいえ、後半戦は安打がない。この試合を終え、打率2割3分2厘、5本塁打、30打点はクリーンアップを期待される助っ人としては満足できるものではないだろう。
それでも指揮官・岡田彰布はある程度、ノイジーにこだわると思う。後半戦前、虎番キャップたちと話していた時のことだ。近本光司の復帰が決まり、代役で中堅を守っていた森下翔太の起用に話題が及んだ。両翼の可能性がある? という質問にこう答えている。
「いやいやライトやろ。別にそんなん。レフトを守るようじゃ困るやんか。ちゃんとレフトの人はおるんやから。また試行錯誤せなあかんやんか」。小野寺暖、前川右京らの存在があっても、岡田の中には「左翼はノイジー」という考えがあるようだ。
阪神の本塁打はここまで41本。中日と最少を争う状況にあって、もっともアーチを稼いでいるのは大山悠輔、佐藤輝の10本。その次は誰か。それが5本のノイジーだ。小野寺、前川に同じ試合数を与えれば…との見方はあるかもしれないが、本塁打は特別だし、長打もやはり簡単ではない。
だからこそ、この試合も最後まで出場させたのだろう。8回に四球で出た場面。無死一、二塁で一塁走者だった時はもちろん、佐藤輝の適時二塁打で三塁まで進んだ後も代走は出なかった。その後、ノイジーは森下の犠飛で生還。「代走でもいいかな」と思う場面だったが、ヤクルトの攻撃があと2イニング残っていた。狭い球場だけに何があるか分からない、と思っても不思議はない。
満足はしていないが起用はするという現状だろう。いずれにせよ、ノイジーがもっと打てば打線自体が楽になるはず。甲子園に戻って25日からの巨人戦は対戦打率1割7分5厘とノイジーにとってもっとも苦手な相手だが…。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




