岩貞祐太ら自慢のブルペン陣がバタつき、最後はヒヤヒヤになったものの、そう言うほど不安にさせないのが今の阪神か。終わってみれば6-5。得意の1点差勝利はこれが今季22度目だ。
「逆転勝利」も久しぶりな気もした。振り返ってみれば8月26日中日戦(京セラドーム大阪)以来、7試合ぶり。これも今季29度目で、ともにセ・リーグでトップである。
「マジック17」としたこの71勝目について、勝手に“安心理論”を書かせてもらいたい。この日、デーゲームで2位広島が中日に勝っており、負ければ「M消滅」となる試合だった。そこで勝利し、ゲーム差は「6・5」のまま。
そして次の週末、8日からは甲子園で広島との直接対決3連戦が控える。それまでにどうなるかが1つの焦点とは以前から書いていることだが、この日の勝利で、阪神はその広島3連戦を含め、すべて負けると計算をしても「首位」は不変の状況になった。
阪神は3日ヤクルト戦を終えると名古屋に移動して5、6日と中日2連戦。その後、8日から広島戦だ。広島は3日に中日と戦った後、同じマツダスタジアムで5日からDeNA3連戦である。
あくまで仮の話だが10日まで阪神が6連敗し、広島が7連勝してもゲーム差こそなくなるものの、その時点で勝率で上回っている阪神の首位は変わらない。
もちろん本当にそんなことになれば相当、異様なムードになっているはず。それでも最悪の状況を想定して、それなのだから、少なくとも圧倒的有利は間違いない。マジックが出ているのだから当たり前だが。
「普通にやったらエエんや。普通に」。独特の風貌や“しゃべくり”は、およそ普通と言えない気がする指揮官・岡田彰布だが野球では「普通」を強調する。この日、それを感じさせたのは6得点の3回だ。
2点を追うこの回、坂本誠志郎が左前打で出る。しかし小幡竜平は投ゴロで1死一塁。ここでベンチは青柳晃洋に犠打を命じた。青柳がこれを決め、2死二塁。ここから四球を含めて打線がつながり、佐藤輝明の16号3ランまで6点だ。
2点ビハインドでも1番近本光司につなげていくという姿勢は変わらない。「ずっとあの感じで点取ってたわけやから」と岡田。安定というか、王道というか。普通の戦いだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




