「スミ1」勝利で最下位・中日にカード2連勝を決めた。しかしハッキリ言って褒められた内容ではなかったと思う。なにしろ11安打を放ちながら1点だけ。その途上には走塁ミスがあったり、犠打ができなかったりと今季の阪神らしからぬ場面が散見したのである。

「そら、こんなゲームになるわな」-。「普通にやったらええんや」と常々、口にする指揮官・岡田彰布にすれば、当然、不満そうな表情だった。それでも勝ちは勝ちである。負けていればイヤな感じだが、勝てば失敗を糧にして、次につなげていけるはずだ。

これで1日からのヤクルト3連戦(神宮)とバンテリンドームでの中日2連戦で5連勝。この9月を迎える前に少しだけ懸念していたことがあった。それはヤクルト、中日と失礼ながら今季リーグで“2弱”という感じの両球団との対戦で岡田の言う「勝負の9月」が始まることだった。

勝負の世界では俗に「取りこぼし」という表現を使うが、こういう時期こそ下位チームとの対戦はイヤなものだろう。もう優勝には関係ないけれど、上位に対して、それこそ意地を見せるべく立ち向かってくることはよくあるからだ。

さらに勝手に心配していたのは神宮、バンテリンと続く“並び”だった。往年のファンなら思い出すだろう。20年前、闘将・星野仙一の下、18年ぶり優勝を勝ち取った03年はここでもたついた。同年9月9日からのヤクルト3連戦で2敗1分け、12日からナゴヤドーム(当時)で戦った3連戦は3連敗。この2カードで1つも勝てず、甲子園に戻った。結局、それが奏功したというのもおかしいけれど15日、地元胴上げとなったのだが…。

今季は現状、もたつく気配はない。近本光司を欠き、2試合続けて1番打者を代えても、そこが働き、勝った。流れはまったく離れていかない。いちるの望みをつなぐ広島は前カードで中日に負け越している。以前に書いたが8日から甲子園で行われる“直接対決”を前に、8月末から9月序盤の星取りに注目していた。8月28日時点で首位阪神と2位広島のゲーム差は「7」。結局、対戦を前にその差は縮まらなかった。

やはり今季は強い。あとは岡田がどの球場で宙に舞うのか。その後のCSでどんな戦いをするのか。球団2度目の日本一を狙う舞台に立てるのか。そこに焦点は移りつつある。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)