打てん中止はないよ-。ドーム球場が登場したころ、そんなダジャレを口にしたものだが本当に打てない阪神打線だ。オリックスを相手に2試合連続で0封負け。無得点で負けるのは今季8試合目だ。正直、またかいなと思うのだが2試合連続となると巨人を相手にした開幕からの2試合以来という。それがどうしたと言えばそれまでだが重苦しいムードは続く。
「なんもないで。昨日よりないわ。何も言うことないわ。もう、見ての通りよ」。指揮官・岡田彰布も怒ると言うよりはあきれたという様子。もちろん最高責任者としてそれも困るのだが、実際、なかなか打つ手がない気配ではある。
悩める佐藤輝明を7番に下げたら、チャンスがそこにまわる。岡田はよく「動かしたとこに(好機が)まわるよな」と言うが、その通り、最大の見せ場は7回の2死満塁か。ここで捕邪飛に打ち取られたと思ったところで“天井ファウル”。仕切り直しだと思ったが空振り三振。さらに最後も2死一、二塁で一ゴロの幕引き打者に。なかなか流れは来ないのである。
これで交流戦は4勝9敗と借金5。交流戦前は貯金6だったので失速は間違いないのだが、ここがこのシステムの面白いところ。それがはっきり出た日になったかもしれない。
セ・リーグの首位・広島がパ・リーグの最下位・西武に0封負けを喫した。さらに3位・巨人は楽天に負け、これで5連敗。つまり2位・阪神を含むセ・リーグのAクラスはすべて敗戦だ。これにより順位の入れ替わりはもちろん、ゲーム差が変化することもなかった。当たり前と言えばそれまでだが、シーズン終盤になれば、こういうことが効いてくるのだ。
いつも書いて恐縮だが、03年に阪神を優勝に導いた闘将・星野仙一は勝因について後に「ゴジラがメジャーにいったことや」と話した。02年まで巨人に在籍した松井秀喜が大リーグに移籍したことによる巨人の戦力ダウンが大きかったと述懐したのである。
常にガンガン勝てれば他者がどうこうということはない。だが相手のある勝負の世界にそれはない。相手がミスする、失速する好機をどう生かすか。それが流れにつながっていくと思う。オリックスとの3戦目を取れれば、この日の結果にそれなりの意味は出てくる。13日は交流戦、正念場の試合だと思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




