午後5時半から甲子園で行われた前日ナイター練習。CSファイナルへ向け、調整が行われた。セ・リーグを圧倒した阪神がきっちり勝つか。激戦で3位巨人を下し、勝ち上がってきたDeNAが昨年に続き、甲子園で阪神を下すのか。
指揮官・藤川球児はこれまで「相手は関係ない」という表現を使ってきた。言い方を変えれば自分たちの野球ができれば好結果は出るはず…ということだろう。圧倒的に強かったシーズンの戦いを再現できるか、ということでもある。
戦い方も基本、不変だと思う。短期決戦の常道として投手継投こそ早めになるかもしれないが打線に関しては不動というか、変えようがない。1番・近本光司から5番・大山悠輔までの流れだ。言い方を変えればスタメンで決着をつけるCSということだろうか。
思い出すのは広島3連覇監督・緒方孝市(日刊スポーツ評論家)が話していたことだ。「短期決戦にはラッキーボーイが必要」。主力が順当に活躍できれば、それでいい。同時に脇役が脚光を浴びることになれば、それがチームの力になるのかもしれない。
例えば捕手だ。初戦先発はエース村上頌樹。となれば捕手は坂本誠志郎だろう。これは鉄板。だが他の捕手2人にもそれぞれ“意味合い”はある。まず梅野隆太郎だ。DeNA先発・東克樹は今季2試合しか阪神戦に投げていないが、その中で梅野は5打数4安打、打率8割とチーム内でもっとも数字を残している。
「明日は出番はないかな。まあ、得意と言うより数字が残っていれば相手が意識して、それが逆効果になるのはあることなので」。梅野はそんな話をした。
もう1人の捕手、栄枝裕貴は立命大で東の後輩だ。8月27日の横浜スタジアムで1点リードの7回、1死三塁で代打に出た。周囲も驚く策だったが三ゴロ。「これを悔しがれるかどうか」と言った球児に栄枝も「悔しい」と言ったものだ。
この日、栄枝に「スタメンだったりして」と雑談する。「それはないでしょ~」と言いながら「あのときはびっくりして自分のパフォーマンスができなかったですから」と、次のチャンスは待っている。
「面白い選手が活躍するんじゃないですか」。球児もそういう表現で、ラッキーボーイの出現を期待した。もちろん誰が活躍してくれても、それでよし。まずは勝ちたい初戦だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




