夏の高校野球地方大会は、終盤戦に入った。連日各地で代表校が決まる中で、担当記者たちが精力的な取材を行っている。アマチュア野球特集では、大会中に書ききれなかった話を紹介。取材した記者が印象に残ったエピソードとは-。

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最後の打者は、3年間チームを引っ張ってきた主将だった。3時間19分に及んだ乱打戦。60年ぶりのシード校として挑み、48年ぶりに5回戦まで勝ち進んだ県浦和(埼玉)は、主将・尾崎慎之助捕手(3年)の右飛で夏を終えた。

昌平に12-21。終わってみれば9点差の大敗だが、7回には12-14と一時2点差まで迫った。尾崎は「キャッチャーの自分が崩れたら絶対にチームに響いてしまう」と仲間を鼓舞。苦しい展開でもチームを支え続けた。

尾崎が県内屈指の進学校である同校を志したのは、中学3年夏に県営大宮球場で見た応援団がきっかけだった。「この応援の中で野球がしたい」と憧れを胸に入学した。この日も得点が入るたびに三塁側スタンドから第一応援歌「八重雲起こる」が響き、「『まだまだここからだ』と思わせてくれたのは、応援団やスタンドの皆さんのおかげです」と感謝した。

昨夏は緊張で体が固まったという尾崎も、この夏は「ワクワクの方が大きい」と挑めた。4回戦では公式戦初本塁打を放ち、48年ぶりの5回戦進出に貢献した。目標の優勝には届かなかったが、60年ぶりのシード権獲得という新たな歴史を築いた世代を先頭に立って引っ張った。「浦高」の躍進に、頼れる主将の存在が欠かせなかった。【会田京叶】

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