いきなり強豪対決が実現だ。第97回全国高校野球選手権大阪大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が26日、大阪市内で行われた。大会史上初の4連覇から甲子園夏連覇を目指す大阪桐蔭は、7月19日の初戦で履正社と対決。12、13年は決勝で対戦した府内最強のライバルとの一戦から04、05年駒大苫小牧(南北海道)以来の偉業に挑む。OBの西武森も後輩にエールを送った。

 全国で唯一、夏の大会にシード制を採用していない大阪ならではの初戦強豪対決に、抽選会場は沸き返った。履正社との激突決定のクジを引いた大阪桐蔭・福田光輝主将(3年)は「当たる予感がしていました。(対戦を)予想していた自分がいた」と笑みすら浮かべた。99年に大阪桐蔭にとっての初戦(履正社は2回戦)で当たり、競り負けた。12年からの夏3連覇では12、13年と決勝で対戦。甲子園への宿命のライバルと知ればこそ、主将は平然としていた。

 全力をつくした先に甲子園夏連覇も見えてくる。春は高山優希(2年)が大阪6試合に先発して実戦の力をつけるかたわら、エース田中誠也(3年)は走り込んで体を作った。新たな勝負球ツーシームも取得。「シンを外して、ゴロを打たせるイメージ」。チームは投の2枚看板を作り、エースは力を伸ばしていた。

 球界最高の人気者OBから頼もしいエールも届いた。この日発表された球宴ファン投票で両リーグ最多得票だった西武森は「(3年生は)自分が知っている最後の代ですから、気になります。甲子園に出てほしいのはもちろんですが、結果を気にせず、悔いが残らないように思いきりプレーしてほしい。結果を気にせずにプレーした方が思いきったプレーができるはず」。注目度抜群の一戦から大阪桐蔭の挑戦は始まる。【堀まどか】

 ◆近年の大阪からの甲子園出場校 05年以降、大阪桐蔭と履正社の2校が他校を圧倒。過去10年で夏の甲子園の大阪代表は、大阪桐蔭6度、履正社1度。他校は07年金光大阪、08年近大付、09年PL学園、11年東大阪大柏原のみ。履正社は3度決勝で大阪桐蔭に敗れている。05年以降のセンバツは履正社6度、大阪桐蔭5度。一方の他校は、05年大産大付、06、09年PL学園、07年関大北陽、09年金光大阪だけにとどまっている。