帯広柏葉の左腕エース福田遼(3年)が帯広三条を相手に公式戦初完投を初完封で飾り、2年ぶり26度目の代表を勝ち取った。

 福田が緊迫した投手戦を制した。9回、リードは7回に内野安打と相手失策でもぎ取った、たったの1点。2死一塁から一塁走者をけん制で刺して勝利を決めた。緩いカーブを効果的に使い、ストライク先行で無四球。87球で帯広三条打線を完封した。公式戦で初めて9回を投げきったエースは「何とか0点をつなげようと思っていた。良い投球ができた」と胸を張った。

 昨秋から背番号1を背負うが、先発して6回以上投げたことがなかった。「全力で投げると長いイニングはきつかった」。今年2月からチームは栄養士のアドバイスの下、体作りに取り組んだ。スタミナ難の原因にカルシウム不足を指摘されると、毎朝、晩、コップ1杯の牛乳を摂取した。体力向上に加え、続けた分だけ自信につながった。この日は5回までの予定だったが「まだ行かせてください」と志願し、エースの仕事を全うした。

 2年前はスタンドで応援した旭川スタルヒンに、主力の1人として挑む。「甲子園はもちろん目標だけど、まずは先輩たちが果たせなかった2勝を」。最後の夏を、簡単には終わらせない。【保坂果那】