9連覇を目指す聖光学院が5回コールドで快勝発進した。

 9連覇がかかる聖光学院の夏の初戦を任されたのは、公式戦初登板初先発の右サイドスロー餅田武紘(3年)だった。「控え上がりなので、スタンドのあいつらのためにも思い切っていこうと思った」と餅田。182センチ、83キロの大きな体で躍動感たっぷりに投げ、自己最速を2キロ上まわる137キロをマーク。5安打は許したが危なげなく3回無失点でデビューした。

 上手から横手に転向したのは1年の冬。同学年に森久保翔也、今泉慶太と本格派右腕がそろうため「自分の生きる道」をそこに見いだした。昨年の横手投げエース船迫大雅(現東日本国際大1年)のフォームをまねして磨き、最後の夏にベンチ入りを果たした。

 斎藤智也監督(52)が「一番の上昇株。エース格のローテに入るかも」、横山博英部長(45)も「一番ぶれない男」と期待を寄せる餅田が夏のキーマンになりそうだ。【高場泉穂】