部員11人の左沢が、8回コールドで寒河江工に勝利した。初回に打者一巡の猛攻で7点を先制し、15年ぶりの16強に進出した。

 一気に駆け抜けた。初回1死満塁。左沢の5番鈴木理恩(2年)は、寒河江工・志田の直球を振り抜いた。「真ん中にゆるく入ってきて、思い切り振りきった。気持ち良かった」。左越え三塁打の間、失策がありホームまで激走した。この先制打を皮切りに、チームは初回一挙7点。8回コールドで初戦を突破した。

 策がはまった。4月に就任した土屋岳監督(25)が寒河江工の1回戦のVTRを見て対策を練っていた。「志田くんは右横手だったので、右打者はベース寄りに立って、中から外に踏み込んで打て」。初回の先頭・船田大樹主将(3年)が内寄りに立ち死球で出塁。内角を封じて外角狙いにしぼり、大量点を呼び込んだ。

 11人でも勝った。新チーム始動後は2年4人、3年4人の計8人で、秋の県大会は硬式テニス部から3人借りて出場した。冬場はビニールハウス内でマシン打撃を繰り返した。春には、待望の1年生が3人入部して“自力”出場がかなった。先制三塁打を放った鈴木理は胸を張った。「人数は関係ない。ベンチワークが忙しいぐらい。次は気持ちで負けないように、相手に向かっていきます」。18日九里学園との3回戦も全力で戦い抜く。【高橋洋平】