京都外大西が3年ぶりに夏1勝を挙げた。過去、夏の甲子園に9回出場を果たしている強豪だが、ここ2年は連続して初戦敗退を喫した。上羽功晃監督(45)は「何かを変えなければならない」と同校OB・中日大野雄大投手(26)の変身ぶりをヒントにした改革が実を結んだ。

 京都外大西ナインが変わった自分たちを見せつけた。2回表に2点先制し、その裏に同点2ランを許す展開。主将の藤本大夢投手(3年)は「これまでだったら、追いつかれたところでしょげていた。でも今回は盛り返した。3回表に3点取った。今日の勝因だと思います」と言う。上羽監督は主将と少し視点が違った。「8回の1点が意味がある。6回の満塁、7回の好機に得点できず、ここが我慢やなと思った。8回は2死から連続二塁打で1点。我慢が点になって表れた」と振り返った。

 中日大野が登板する日とその翌日、京都外大西では上羽監督も選手たちも、同校OBを応援しながら投球内容をじっくり分析するという。主将で背番号10をつける藤本は「今年はこれまでの思い切った投球より、丁寧さを感じます。大野さんの投球で、こういうのがあった、ああいうのもあったなと、選手間で話しています」と刺激を受けている。

 京都外大西は14日、未来への分岐点となる大事な試合を迎えていた。13、14年と2年連続夏の京都初戦敗退。上羽監督は前年の敗戦以降「今までのままやったらアカンで、と言われ続けているような気がした」と口にした。「これまでやってきた何かを変えなければならないと取り組んできた」。教え子の大野の活躍に「大野自身も今年すごく成長していますよね。ただがむしゃらでやってただけじゃなくって、何かあります。余裕がある。そこらも、私たちにヒントを与えてくれているのかなと思います」。

 高校、大学からプロでの大野の成長が、刺激になって、この日の白星でさらに変化を実感し始めた。春も6回甲子園出場している京都外大西が、強豪の雰囲気を取り戻しつつある。【宇佐見英治】