来秋ドラフト候補が、夏の兵庫デビュー戦で巻き返しを誓った。14年ぶりの春の近畿王者から夏の兵庫連覇を目指す神戸国際大付の初戦。エース塩田大河(3年)とともに春の快進撃を支えた2年生左腕・東郷太亮が先発するも、4回途中で5安打無失点降板。「暑さと緊張感で全く力を出せなかった。次につながるピッチングにしないと」。早くも阪神、中日など複数球団が視察した逸材だが、試合後の顔つきは険しかった。

 3回まで毎回得点圏に走者を背負った。4回は1死から7番打者に低めの球を左越え二塁打にされ、青木尚龍監督(50)から交代指令。エース塩田に代えられた。6月に腰に痛みが出て、この日も打球を処理した際に違和感を覚えた。大事を取らせた親心もあったが、青木監督は「きょうのような投球だったら代えられることがわかったでしょう。次が楽しみです」と厳しい言葉に期待を込めた。

 全国制覇のDNAを受け継ぐ。父洋志さん(52)は報徳学園(兵庫)の遊撃手で、エース金村義明(野球評論家)らと81年夏に甲子園で優勝。「みんなでしんどいことを乗り越え、みんなで頑張った。そういうことを経験してくれれば」。母校としのぎを削る強豪の主力になった息子を、父はスタンドから見守った。【堀まどか】