昨春大阪府3位の公立の星、大冠が5回コールドで初戦を突破した。最速144キロのエース吉田大喜(3年)は4回にソロを浴び5回4安打1失点も、昨夏からの成長を随所に込めた。

 「(大阪)桐蔭と当たるまでは負けられない、と選手たちは話しています」と東山宏司監督(53)。昨夏大阪大会3回戦で大阪桐蔭に4-9で敗れた。その相手が甲子園で全国制覇。敗戦の悔しさは、全国1位校を知る経験に変わっていった。

 大阪桐蔭戦で先発した吉田は体重を7キロ増の67キロに。「球に重さを加えたかった。外野の頭を越された打球が今は内野フライになりました」。チェンジアップ、スプリットを覚えて打者を打ち取る手段も増やした。横浜隼人(神奈川)など他県の強豪と練習試合を重ねた集大成の夏。3日前に右手中指のマメをつぶしたが、くじけず5回を投げきった。19日に履正社との決戦を迎える大阪桐蔭を、大冠も勝って待ち続ける。