広島黒田の母校、上宮が7回コールド勝ちで3回戦に進出した。先発の加納龍之介(2年)が6回を2安打無失点で投げきり、7回はエース永橋翔吾(3年)が1回を無失点。昨夏は8強入りも、昨秋、今春はいずれも3回戦で敗れた。昨秋就任の村田侑右監督(29)が「まず3回戦のカベを越える」ことを目標に掲げたが、ナインの背中を押すのは今季日本球界に復帰したおとこ気OBの存在だ。

 40代の黒田と10代の現役部員に直接の接点はない。だが黒田の活躍で、甲子園の常連校だったころの上宮もクローズアップされた。「甲子園に出ていたころの映像を今の選手が見ることができた。励みになります」。上宮OBの村田監督は語る。上宮でエースでなかった黒田がプロ入り後、日米球界を代表する投手になったことも、後輩たちには支えになる。

 エース永橋も「ピンチにひるまず、向かっていかれる姿におとこ気を感じます」。永橋自身は昨夏大阪8強に貢献も、秋以降は制球が定まらない不調に苦しんだ。この日は3季ぶりの公式戦登板だった。「他の投手に迷惑をかけました。取り戻して行きたい」。上宮を背負う気概は、大先輩から受け継いだ。【堀まどか】