川崎商が“最後”の夏に名を刻んだ。神奈川大会が開幕し、中央農との開幕戦を逆転で制した。12安打されながらも9回を投げ抜いた大野佑輔投手(3年)は「横浜スタジアムで川崎商の名を多くの人に見てもらいたかった。それができてうれしい」と胸を張った。

 同校は17年4月に普通科が新設され、市立幸(さいわい)高校に校名変更される。「KAWASHO」のユニホームも今年がラスト。就任11年目の高柴淳義監督(52)は「専門高校は今人気がなくて厳しい。部員不足での1勝は生徒の頑張りです」とねぎらった。

 男子は生徒全体の24%しかおらず、野球部は14人。春は部員8人に他部から助っ人を1人借りた。安易に選手交代はできない。大野は3点リードの5回にコースが甘くなり、4失点で一時逆転を許した。だが「グラウンド整備を挟んで、新しい試合と思って仕切り直しました」。練習試合では180球投げたこともある驚異のスタミナで、6回から無失点と持ち直した。

 バットでも3安打2打点と自らを援護。同じように部員10人の中央農との、エース完投対決を制した。「少ない人数でも、力のあるチームでした」。商業の看板を背負ったサイドスロー右腕は、ともに公立の農業高に敬意を表し、2回戦に駒を進めた。【鎌田良美】