南北海道大会決勝は今春の札幌地区予選代表決定戦と同じ顔合わせとなった。投打がかみ合った北海は、東海大札幌に8-1で7回コールド勝ちし、1970~71年以来、45年ぶりの2連覇へ王手をかけた。

 エース大西には“何か”が起こる予感があった。昨秋主将になってから、先攻後攻を決めるじゃんけんでようやく「公式戦初勝利」したからだ。相手は5月の練習試合で打ち込まれた東海大札幌。「思うように球が行かなかった部分もあったけど、バックを信じて投げた」と、1失点(自責0)で初戦から3戦連続完投し、マウンドを守った。

 主将に4番も兼ねるチームの大黒柱は「秋は自分が打って抑えないと勝てないと思っていたけど、今は1~9番まで安打が出る。コールド勝ちなんて考えたこともなかったのに」と13安打の打線に目を細める。大西とともに昨夏の甲子園に出場した3番佐藤佑は、内野安打で出塁した1回に先制のホームを踏み、7回には試合を終わらせる2点二塁打を左中間へ運んだ。2人とも故障で春を棒に振っただけに、佐藤佑は「大西と自分で夏は引っ張っていく」と頼もしい。

 昨秋の札幌地区予選で初戦敗退し、今春は地区代表決定戦で札幌日大に2-4で敗れた。大西は「どん底を経験したから、良い意味で捨て身でできる」。現チームにとっては最初で最後の道大会。遠かった連覇が、今は手の届くところに見えている。【中島宙恵】