横浜創学館の伊藤秀和外野手(3年)が2試合連続の本塁打を放ち、3回戦突破に貢献した。
伊藤はこん身のスイングで、打球を遠くへ運んだ。0-0の3回裏、先頭で打席に立つと、内角に入ってきた2球目の直球をとらえた。「強く振りました。当たった瞬間『入ったな』と思いました」。本塁打打者のようなセリフだが、これが公式戦で2本目。ただ、2回戦の大船戦に続く2試合連続のアーチだった。
昨夏もスタメン出場するなど出場機会は多いが、今大会の前まで公式戦で本塁打はなかった。安打は出るものの飛距離に物足りなさを感じていた。ラストサマーを後悔で終わらせないため、1・5キロの金属製バットを1日3000回振った。母美智子さん(39)に4リットルのお弁当箱に白米を敷き詰めてもらい、毎日かき込んだ。ウエートトレーニングの成果も重なり、体重は1年間で10キロ増えた。連発アーチは必至だった。
弁当を用意してくれる母への感謝も原動力だ。初アーチを放った2回戦は、美智子さんは仕事があり観戦できなかった。母に本塁打を見せたい。伊藤は朝、母に「今日も打つから」と約束していた。この日も美智子さんは仕事で試合途中で退席したが、2打席目の1発はしっかり見ていたという。
森田誠一監督(51)は「高校生時点でのパンチ力は(西武)秋山以上」と、教え子の名前を出して評した。伊藤にとって、秋山は目標の選手で「映像を見て、タイミングの取り方などを研究しています」という。オフシーズンに母校を訪れた秋山の姿は、脳裏に焼き付いている。偉大な先輩に刺激を受けた“リトル秋山”が、今夏の神奈川をかき乱す。【杉山理紗】

