視察した日本ハム岩舘スカウトは、1打席目のファウルで80号を予感した。「体を開かずにファウルを打ったのを見て、出そうだなと思った」。不調時は体が前に出される場面もみられたが、修正していた。試合後、清宮は「(不調の)原因が分かったので、試合前から行けると思った」と言った。修正箇所は「下半身です」と多くを語らなかったが、1発を予感させる技術がプロの目には映った。

 1、2打席目は四球を選び、迎えた3打席目。内角低めの直球を右中間に運んだ。「簡単な球ではなかったが、体を開かずに打ったから右中間に飛んだ。開いていれば、右翼ポール際だった」と話した。2本目は外角の直球を中堅左に運んだ。「(インパクトの瞬間に)リストをうまく使えるから、あそこまで伸びた。木のバットでもすぐに適応できる打ち方」と評した。確かな技術のもと、2発が生まれた。【久保賢吾】