この冬は、体幹とウエートトレーニングで肉体強化を徹底した。個人でトレーニングジムにも通って、体重は自己最重量の100キロを超えた。グラブに刺しゅうした「BE CREATOR」(創造者になれ)の言葉通り、高校野球界の最先端を突っ走って、結果で証明した。

 メモリアル弾は高校生活の原点をよみがえらせてくれた。駒大高は、高校のデビュー戦の相手で、神宮第2は高校1号を放った思い出の地だった。「思い返してみれば、そうですね。高校野球を始めた時の気持ちというか、初心に帰って、懐かしいな」と、少しだけ感慨に浸った。

 センバツ以降、不調に悩んだが、映像を見返し、自らの力ではい上がった。「いろいろ試して、これかなと思った」と下半身の動きを中心に修正した。不振をも「1つの経験。いい引き出しができた」とプラスにとらえた。「本塁打数は目標にしていない。打てるだけ打ちたいし、目標はチームを優勝に導ける打撃」と頼もしく話した。最強スラッガーが目を覚ました。【久保賢吾】