競技は違えど、勝負の世界で生きる父を尊敬している。両親のサポートがあるから、今の自分があると感謝する。幼い頃から「準備が大事」との教育を受け、実践してきた。大会前の6月下旬から7月上旬まで行われたテスト期間中は部活動が休み。日課のウエートトレもできず、自宅での腕立てやスクワットでコンディションを整えた。

 父のイズムは、積極果敢な走塁にも表れた。1回1死一、三塁、一塁走者の清宮は暴投で一塁から一気に三塁へ進塁。2回1死一、二塁では野村の三塁打で一塁からホームに滑り込んだ。小学4年まで続けたラグビー仕込みの大きなストライドからトップスピードに乗る走法で、ともに間一髪セーフ。ソフトバンク山本スカウトを「いい走塁。判断も良く、走りだすと速い」とほれさせた。

 夏の勝負の厳しさも、胸に刻んだ。この日、今春のセンバツで敗れた東海大福岡が敗退した。「福岡も勝ち残るのは難しいですし、もちろん西東京も大変なこと。最後は笑って終わりたいと思っているので、1戦1戦、最後まで諦めちゃいけないんだと思います」と引き締めた。

 次戦は21日の法政との5回戦。史上最多の高校通算107本塁打にあと2本と迫る。「暑さに負けないようにコンディションを整えて、初戦のつもりで万全の準備をして臨みたい」と言った。汗と涙が詰まった神宮でも大暴れする。【久保賢吾】