選手がグラウンド上で考え、工夫する。鳴門渦潮打線の特徴だ。

 1回、2死満塁で6番奥。相手投手にタイミングが合わず、追い込まれたところで「絶対に当てる」。公式戦で試したことがないノーステップ打法に変えた。スイングスピードは落ちるが、目線がぶれないので確実性が増す。スライダーを中前に運び先制2点打とした。2回は1死三塁で1番の左打者豊久が左翼の守備位置と肩の強さを頭に入れて「流したほうが走者をかえせる確率が高い」。外角球を左前に運び、追加点。

 森監督は「細かな指示を出さず、『遊び』があるほうが力を発揮する。選手が打席に立つたびに、どういう打撃をしてくれるのか、楽しみです」。(朝日新聞)

 ◆鳴門渦潮 2012年(平24)に鳴門第一と鳴門工が統合して誕生した県立校。生徒数は680人(女子305人)。野球部は開校と同時に創部し、部員は60人。統合して以降の甲子園は春夏通じて初。統合前は両校合わせ春9度、夏6度。主なOBは広島美間優槻内野手。所在地は徳島県鳴門市大津町吉永595番地。中田寛志校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦12-2阿南高専

準々決勝11-1富岡西

準決勝4-1川島

決勝6-0板野