チームは決定打を欠き、春の東北大会で初戦敗退した。その反省から大会後はカウント0-2と追い込まれた状況で、1球勝負の打撃練習を繰り返した。時には主力投手が登板。「一振りで仕留める」(植田)集中力を磨き、岩手大会決勝でも2打席連続を記録。この日で高校通算を62本に伸ばし、60本の松井秀喜(星稜)を超えた。

 身長165センチ。「でかい人には負けたくない」と中学時代はジムに通い、高校でもウエートトレを日課にする。ベンチプレス110キロ、スクワット240キロはチームNO・1の数値。「打ち勝てたことをつなげたい」。夏は初の8強入りに導いた小さな強打者は、さらに先を見た。【久野朗】

 ◆植田拓(うえだ・たく)1999年(平11)5月10日、大阪・貝塚市生まれ。永寿小1年から野球を始め、貝塚一中では貝塚シニアに所属し、陸上部も兼務。盛岡大付では1年春の東北大会からベンチ入り。50メートル5秒9の俊足。家族は母と兄。165センチ、73キロ。右投げ右打ち。

 ◆2打席連続本塁打 盛岡大付・植田が記録。今大会の青森山田・中沢が彦根東戦で放って以来35人目(37度目)。

 ◆3季連続本塁打 盛岡大付・植田が16年夏の創志学園戦、今年春の履正社戦に続き本塁打。甲子園の3季以上連続は93年夏の根本健志(常総学院)以来6人目。83~85年に清原(PL学園)が5季連続で打っている。

 ◆1試合5本塁打 盛岡大付-済美のように両チーム2本塁打以上は8度目。最多は06年智弁和歌山5本-帝京2本の計7本で、5本は2位タイ。