高校日本代表の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が2020年の東京五輪出場を目標に掲げた。第28回U18(18歳以下)W杯で3位となった日本代表が12日、カナダから羽田空港に帰国した。「東京でやるからには目指したい」と初めて五輪への思いを語った。進路は、進学かプロかまだ決めておらず、両親との家族会議を経て今月中に表明する予定だ。

 約100人のファンが、羽田空港で高校日本代表を出迎えた。清宮は「ビックリした」と驚いた様子だった。会見では「人間的にも野球人としても成長できたと思う」と実感をこめた。そして3年後の東京五輪出場を目標に掲げた。

 清宮 大学に行っても、プロに行っても、オリンピックは出られると思うんで、東京でやるからには目指したい。

 自身2度目の高校日本代表での戦いが、日の丸への思いを強くさせた。「目指すべき最終地点。国を代表するということは、1億人以上の方の期待を背負っていること」と熱く語った。現状では「まだ力不足。練習して、力をつけて、選ばれるように」と話した。

 高校では届かなかった世界一を目指す。主将と4番を任された今大会は2本塁打を放ったが、打率2割1分9厘、6打点で3位に終わった。「(1年時と)2回も出て、世界一になれなかった。次は世界一を取りたいです」と宣言した。

 米国代表のシアニ主将とは、「メジャー」での再会を約束した。10日(日本時間11日)に行われた閉会式で打撃用の手袋をプレゼントされ、英語で会話した。「米国に来いよ」と声を掛けられ、「そこで会おうぜ」と、最高峰の舞台での再会を約束した。

 進路は家族会議を経て、今月中に表明するとみられる。「大学かプロかで迷っています。(決断の期限は)あまり決めてないです」と話した。プロか、米国の大学か、早大進学か、最良の道を選択する。

 高校では新学期がスタートした。「文化祭や体育祭、テストとか、普通の高校生の生活になる。それも今しかできないと思いますし、行事を楽しんで、いい半年間を過ごせれば」と笑顔で話した。高校3年間の「清宮フィーバー」は終了するが、また新たな舞台でも輝き続ける。【久保賢吾】

 ◆過去の五輪代表編成 00年シドニー大会で初めてプロアマ混成になり、大学生が石川雅規(青学大)阿部慎之助(中大)ら5人、社会人が杉内俊哉(三菱重工長崎)渡辺俊介(新日鉄君津)ら11人、プロが松坂大輔(西武)黒木知宏(ロッテ)ら8人で臨んだ。04年アテネ大会と08年北京大会は全員プロが参加。