聖光学院(福島1位)と花巻東(岩手1位)が決勝進出を決め、来春のセンバツ出場を確実にした。聖光学院は能代松陽(秋田1位)を16-2で圧倒して5年ぶり5度目の決勝進出。花巻東は日大山形(山形3位)に6-4で競り勝ち、花巻商時代の73年以来44年ぶり2度目の決勝進出を果たした。今日18日に行われる決勝で、ともに初優勝と明治神宮大会(11月10日開幕)出場をかけて戦う。

 花巻東が接戦の強さを発揮して、6年ぶり3度目のセンバツを当確にした。8回に2点差に詰め寄られたが、背番号1の左腕田中大樹(2年)が10安打を浴び、4失点しながら公式戦初完投で耐えた。佐々木洋監督(42)は「田中がうまく変化球を使いながら抑えてくれた」と喜んだ。

 6回に4番紺野留斗外野手(2年)のソロ本塁打、8番田中の2点二塁打で3点を勝ち越した。5回に同点とされた直後。すぐ流れを引き寄せる試合巧者ぶり。佐々木監督は「接戦に強く、逆転するのがモットーですので」と話す。由利工(秋田3位)との準々決勝は、2点を追う7回に4点を奪って逆転勝ちした。県大会から7試合すべてが3点差以内。厳しいゲームばかり勝ち抜いてきた。

 新チーム結成後、ノックで悪送球や中継プレーが乱れたら、注意するだけで終わった。だが練習試合で黒星を重ね「それじゃだめだろう」(紺野)と、ミスの原因を選手同士で考えるようになった。フリー打撃では順番待ちの選手が、打っている選手の弱点などをアドバイス。8月下旬の花巻地区予選から、ミスや1球の重みへの意識を高めた。失策が出ても投手が踏ん張り、打線は好機を生かす。それが強みになった。

 過去2度のセンバツは、いずれも東北大会4強で選ばれた。佐々木監督は「優勝旗を取ろうと話をしている」と、決勝進出は通過点と捉える。紺野も「神宮大会に出るのが目標」と初優勝をにらんだ。聖光学院に勝って、テーマにしてきた「強い花巻東を取り戻す」を実現する。【久野朗】