2年連続17度目出場の静岡が、7-0で駒大苫小牧(北海道)を破り、2年連続の初戦突破を果たした。斎藤来音(らいね)外野手(2年)が、三塁打2本を含む3安打4打点で打線をけん引。エース春翔一朗投手(3年)は、わずか84球で相手を完封した。チーム全体で堅守も光り、目標の4強以上への快勝発進。3回戦は第7日(29日)第3試合(午後2時開始予定)、27日の聖光学院(福島)-東海大相模(神奈川)の勝者と対戦する。

 2年でただ1人のレギュラー、斎藤来が打線に火を付けた。3回裏2死一、二塁。相手右腕の初球を捉えると、打球はグングン伸びて左中間を越える先制の2点適時三塁打。4番成瀬和人内野手(3年)も左前適時打で続いて3点目を奪い、試合の流れを大きく引き寄せた。

 斎藤来 甲子園の雰囲気にのまれないように意識していました。打ったのは直球で、最初は入るかなと思っていました。打球が見えて(フェンスを越えず)からガチで走りました。

 5回裏1死二、三塁のチャンスでは、7球目を引っ張って右越えに2点適時三塁打を放った。「何とか次の成瀬さんに回そうと思っていました。追い込まれていましたが、体がうまく反応しました」。5-0とリードを広げると、再び成瀬が右前適時打で続き、6点差にした。

 斎藤来の活躍で、昨年のセンバツを経験した3年も乗った。1番村松開人内野手は2安打1打点。50メートル5秒8のスピードを生かした再三の好守で3万人の観客を沸かせ、エース春を助けた。「最初はセカンドゴロでしたが、全力疾走で相手に圧をかけられた。春は打たせて取る投手なので、守ってやろうと思っていました」。2安打2打点の成瀬は「結果は良かったですが、緊張して自分の打撃はできませんでした。体が開いてしまったので、修正したいと思います」と話した。

 29日の3回戦は、4月1日付で掛川西に異動する大石卓哉部長(37)と戦える最後の試合になる。この日、2安打の5番木下将吾外野手(3年)は「初戦で2本打てて良かったです。次もしっかり勝って、大石先生を送り出せるように頑張ります」と笑顔で言った。投打がかみ合い、守備でも無失策。目標の4強以上へ、最高のスタートを切った意義は大きい。3回戦の相手は、聖光学院-東海大相模の勝者で、どちらも強豪だが、今の静高には再び勝者になるだけの力と勢いがある。【鈴木正章】