全国的には無名の千葉の大型左腕が、一躍注目を浴びた。

 春季高校野球千葉大会の地区予選2回戦に登場した館山総合・相川亮太投手(3年)が12日、6球団のスカウトが視察する中、6回から登板し、4回1失点の好投。最速135キロの直球、カーブ、縦、横の2種類のスライダー、チェンジアップで大多喜打線を抑え込み、6-3でチームを勝利に導いた。

 3月に左肩と肘に違和感を覚え、ぶっつけ本番のマウンドで「甘い球とボールが多かった」と反省したが、182センチの長身で角度は十分だった。

 エンゼルス大谷に憧れる左腕は、潜在能力の高さをバットでも示した。一時勝ち越しの右前適時打を含む2安打1打点。一塁到達タイムは4秒05と走力もアピールした。昨秋の県大会では八千代松陰を相手に、12回を3失点。延長でサヨナラ負けしたが、プロ注目の清宮虎多朗(せいみや・こたろう)投手(3年)と堂々と投げ合った。

 巨人吉武スカウトが「長身で脚力があるので、球速が上がれば楽しみ」と評価すれば、ソフトバンク福元スカウトは「左の大型左腕ですから、将来的に楽しみな投手」と評した。

 新入部員は9人ほど入る見込みだが、この日は上級生の10人のみがベンチ入りした。そのうち3人は野球経験者だが、野球部には所属しておらず、大会前以外は基本的に7人で練習に励んだ。「人数が少ない分、打撃を数多くした」。地区予選を突破し、県大会出場を決めた左腕は「この冬はストレートを磨くことを意識して練習したので、自分の直球がどこまで通用するか、勝負したいです」と意気込んだ。【久保賢吾】