「招き猫投法」の夏が終わった。立命館慶祥エース高塚純正(3年)は初回4安打を浴び4失点、4回にも3本の長打を打たれ3点を失い、5回7失点で降板した。右手首を曲げボールを握り、テークバックで肘を畳んで投げる独特なフォームを生かし、昨秋は夏3連覇中の北海、昨春センバツ出場の札幌第一を連破。制球力を武器に全道8強まで進出したが、夏は地区代表決定戦で力尽きた。

 「自分の仕事ができなかった。コースを意識しすぎて不利になり、ストライクを取りにいった直球を狙われてしまった。もっと強気の投球ができていれば」。敗戦後、号泣する西田大駿主将(3年)の隣で、遠くを見つめながら、札幌光星の校歌を聞いていた。

 卒業後は系列の立命大に進学して野球を続ける。「甲子園には行けませんでしたが、この悔しさを大学で晴らしたい。もっと周りに頼りにされる投手になりたい」。目標を神宮に変え、新たな環境で一から磨き直す。【永野高輔】