岩瀬農の大黒柱がワンマンショーを演じた。4番エースで主将も務める柳田幹弥投手(3年)が投打で活躍。10-0の5回コールドで磐城農との農業校対決を制した。

 岩瀬農の柳田が「1人3役」で初戦突破に貢献した。左スラッガーの4番打者は全3打席連続の長打を放ち、3安打1打点2得点。9点リードの5回裏2死三塁では、初球暴投を誘ってコールドのサヨナラ勝ちを成立させた。「直球狙いでセンター方向を意識して逆らわずに打てました。文句なしです」と胸を張った。

 投げては2安打4奪三振で完封。「この日変えた」という突貫のフォーム変更が奏功した。投球スタイルを崩し、大会直前まで苦しんだが、須賀川桐陽2期生の父俊英さん(37)に「大きなフォームで投げろ」と助言され、テークバックを大きくした「大の字」投法で結果を出した。「声で引っ張り、自分を奮い立たせる意味もあった」と、投げるたびに気合の入った掛け声も披露。浜津信哉監督(57)も「彼が試合をつくってくれた」と評価した。

 今夏の目標は1大会2勝だが、次戦の相手は夏の甲子園12年連続出場を狙う第1シード聖光学院が濃厚だ。4年前は0-27の5回コールドで完敗。主将でもある柳田は「光栄です。他県にいたら甲子園でしか戦えない。自分の力を試してみたい」と大きな壁に立ち向かう。【佐々木雄高】